昨今、Jリーグの若手サッカー選手が欧州にチャレンジする際の入り口としてベルギーリーグに移籍するのがトレンドになっている。実力的にはJリーグとそれほどかけ離れているわけではない。それでいて欧州内に位置し、主要リーグ※1との架け橋になっていると言っていいだろう。
今まではというと、主要リーグに直接渡り活躍することが選手達の目標であり、まずは飛び込んでからというのが定番のスタートだった。しかし蓋を開けてみると慣れや成長も見越してのチャレンジが前提であり、その要素は多岐にわたる。言葉や生活習慣、サッカー文化の違いを克服し、その中で技術的にも成長もし、ライバルと切磋琢磨し、戦術理解を深める等々、これらをパッケージにして一定期間内に適応を求められるのである。
うまくいく例も少なからずあったが、それは圧倒的な突出部分があるか、メンタル・フィジカル双方含め既に鍛えられいて、人としてある程度出来上がっている必要があり、ゆえに敷居が高くならざるを得なかった。対象が「若手」ではない事は明らかだ。
現状ベルギーを見ると、これからJリーグでレギュラーを勝ち取ろうとするフレッシュな顔ぶれがそろっている。それがなぜ可能になっているのか。元々育成システムでも先に進んでいるし、異文化異人種の受け入れはお手の物のはずで、さらにそれを踏まえて主に生活習慣や文化を中心に或いは重きを置いた修練が行われる。この場合一丁目一番地がその適正だからだ。
もと居た世界を飛び出して挑戦するのに人として適しているのか?またそうなれるのか?この適正に焦点を絞って一点突破する。いきなり主要リーグに挑んで一度に様々適応しなければならなかったのとは真逆である。
『何か始めようとする。漫然とした大きな夢に対して、時に最小限最小単位にフォーカスした選択ができているか』
ふとそんな問いが思い浮かぶ。スタートラインに位置し、何かを見定めなければいけない時、手に余った時、行き詰まった時、頭の中を整理して一つずつ解答していく事をお勧めしたい。
※1主要リーグ … イングランド、イタリア、スペイン、ドイツ